野球肩・肘
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野球だけでは無い?
肩や肘の痛みでお困りの方へ。安心の国家資格者による施術で肩、肘の痛みをしっかり改善致します。
繰り返し動作によるオーバーユースや、フォームの崩れ・技術不足によって肩や肘に大きな負担がかかった誤使用(マルユース)で生じる肩、肘の痛みの総称です。投球動作は、肘や肩関節にさまざまな方向から強い負荷がかかります。そのため、関節包や肩関節に付着する筋や腱、骨の損傷が起こりやすく、とくに成長期の子どもの骨や軟骨はまだ弱いため、起こりやすくなります。徐々に発症する場合が多く、損傷部位によって痛みの発症部位はさまざまです。好発年齢は10~16歳(ピークは15歳)とされ、そのほとんどが投手であることから「野球肩(投球障害肩)」と呼ばれています。しかし、野球肩は投球動作以外にも、テニス・バレーボールのサーブ、スマッシュ、アタックなどの腕を大きく振る動作の繰り返しによっても起こります。
分類と症状
一言に野球肩と言っても、その原因や損傷は多岐に渡ります。ここでは主要な頻度の高い野球肩をご紹介します。
野球肩の種類
- 01.インピンジメント症候群
- 02.腱板損傷
- 03.リトルリーグショルダー(上腕骨骨端線離開)
- 04.ルーズショルダー(動揺性肩関節症)
- 05.肩甲上神経損傷(けんこうじょうしんけいそんしょう)
野球肩の原因の中でも多いのがインピンジメント症候群です。肩を使うたびに、肩峰や靱帯に上腕骨頭がぶつかり腱板がはさまれ肩峰下滑液包に炎症が起こり痛みます。コッキング期に上腕骨が肩甲骨面よりも肘を後ろに引きすぎた状態に位置することで起こりやすくなります。野球の投球動作以外にも、ラケット競技など腕を上に振り上げる動作を繰り返すスポーツでも発症します。
肩を上げる時(70〜120°あたり)に痛みや引っかかりを感じ、それ以上肩を上げられなくなリます。
肩にある上腕骨頭に着いている腱が骨頭から剥がれたり、破れたりする損傷のことを言います。腱板損傷はさまざまなスポーツで多く見られます。投球動作以外にも、ラケット競技あるいは転倒し、肩から落ちるなどの外傷により損傷することもあります。
痛みで腕が挙がらない。腕を下ろす時にも痛みが走る。痛い方の肩を下にして寝られない。夜間痛で目が覚めるなどの症状が出ます。
上腕骨(肩側)の成長軟骨の離開が起こって痛みが出ます。子どもの骨の端には成長軟骨がありますが、骨に比べて柔らかく過度の投球による負荷で損傷し、放置しておくと痛むだけでなく成長障害にも繋がる可能性もあるため、注意が必要です。腱板損傷同様、投球動作以外にも、ラケット競技あるいは転倒し、肩から落ちるなどの外傷により損傷することもあります。
投球時、投球後に痛み、肩をねじると痛みが出ます。
一般正常範囲以上に肩関節が動いてしまう方に多く(上腕骨と肩甲骨の間にある靭帯や関節包が先天的に緩い状態)、肩を使いすぎると周囲の組織を損傷し症状が出ます。バレーボールのスパイクやサーブ、テニスのサーブやスマッシュ、槍投げなどでも発生します。
肩を使った時に痛み、肩の動揺・脱力感を感じることもあります。投球時のフォロースルー時に、肩が抜けるように感じることもあります。
棘下筋を支配している肩甲上神経が、投球のフォロースルーのような動作の時に引っ張られたり、圧迫されたりして損傷します。野球の投球の他、テニスのサーブやスマッシュ、バレーボールのスパイクなどでも起こります。
肩全体に疲労感があり、肩の後ろ外側に放散する痛みが出ます。
野球肘の種類
野球肘には、内側型、外側型、後方型の3タイプがあります。
投球動作のコッキング期に、肘の内側にかかる過剰な負荷(外反ストレス)によって、靭帯(内側側副靭帯)や腱、軟骨が引っぱられることで損傷や断裂を起こします。構造的に最も弱い部分が年齢層によって異なるため、小児期(10~16歳)は内側上顆靭帯付着部の裂離骨折が多く、青年期(17歳~)では内側側副靭帯の損傷が多いとされています。
肘の内側痛、全力投球不能、球速低下、遠投距離低下などです。
外側型野球肘は12歳前後の少年野球選手に多く発生します。肘の外側で、上腕骨小頭と橈骨頭がぶつかり、骨・軟骨が剥がれたり傷んだりします。離断性骨軟骨炎が進むと、軟骨が軟骨下骨(軟骨の下の骨)とともに離断し、「関節遊離体」(関節ねずみ)となり、手術を検討する必要も出てきます。
肘の外側痛、悪化すると伸展(伸ばすこと)が出来なくなること(ロッキング)があります。
投球時、ボールリリースからフォロースルーにかけて、肘の後方では上腕三頭筋による牽引が加わり、肘頭と肘頭窩の衝突が生じ骨・軟骨が痛みます。
肘の後ろ側の痛み、投球時痛、ロッキングなどです。
野球肩に不随する症状
Bankart(バンカート)病変
強い外力により、肩関節の支えとなる関節窩から関節唇靭帯が剥がれた状態で、肩関節の再脱臼を起こす原因となる病変のことです。靭帯と一緒に骨の一部分が剥がれたものは、骨性バンカート病変と呼ばれます。
スラップ(肩関節上方関節唇)損傷
肩関節内後上方インピンジメントを放置、投球動作を繰り返すことで、関節唇損傷が悪化します。投球動作の度に上腕二頭筋長頭筋腱の牽引力が働き、関節唇は上腕二頭筋長頭筋腱と一緒に肩甲骨から剥がれ、しばしば腱板断裂を合併します。
SLAP損傷の分類(Snyder分類)
タイプ1:上方関節唇辺縁の擦切れのみ
タイプ2:上方関節唇辺縁と二頭筋長頭が関節唇から剥離し二頭筋付着部が不安定になっているもの
タイプ3:上方関節唇辺縁がバケツ柄状に損傷し、関節内に転位している 関節唇と二頭筋腱付着部辺縁は残っている
タイプ4:バケツ柄状の損傷が二頭筋腱にまで及ぶもの
ヒルサックス損傷
脱臼した時に、関節窩に上腕骨頭が入り込み陥没骨折を起こします。 一度損傷が起きても関節唇や骨折が元の位置に戻って治れば問題ありませんが、関節唇が剥がれたままになったり、ずれて治ったりすると再脱臼しやすくなり、陥没骨折が大きい場合にも脱臼しやすくなります。特に10代では80~90%の人が再脱臼(脱臼癖)するといわれています。反対に40歳以上で初めて脱臼した場合には再脱臼する人はまれです。脱臼回数が増すごとに受け皿がすり減ったり、靭帯が傷ついたりするため、さらに脱臼しやすくなり、寝返りなどでも脱臼することがあります。脱臼癖にはリハビリなどの保存的治療はあまり効果がないため、脱臼を繰り返し活動が制限される場合には、手術を考慮します。
原因と注意点
繰り返しボールを投げることによって、肘への負担が過剰となることが主な原因です。とくに上図のコッキング期~加速期にかけて、肘に大きな負担が強いられます。投げすぎ以外にも、「肘下がり」や「体の開きが早い」といった不適切な投球フォームや全身の柔軟性低下、筋力不足なども野球肘の原因となります。
各投球フェーズにおける注意事項
【ワインドアップ期】投球動作の開始からステップ足が最大挙上するまで
肩関節や肘関節そのものに直接負担をかける動作ではありませんが、その後の投球動作関わる重要な時期のため、体幹の安定性や股関節の角度、頭部の位置など、具体的には、体幹が前方に傾いたり後方に傾いたりしていないかチェックが必要です。
【コッキング期前期】ボールが手から離れ、ステップ足が接地するまで
ボールを持つ側の肩関節の角度や肘関節の高さ(位置)、反対側の腕の使い方、踏み出した足の位置などをチェックします。
【コッキング期後期】ステップ足が接地し投球側の肩が最大外旋するまで
ステップ足の膝が一塁方向へ流れないよう、下肢の筋力と股関節の柔軟性が必要です。上肢はトップポジション維持のため最大外旋位をとるための肩関節・肩甲帯および胸郭の柔軟性が必要です。
【加速期】最大外旋してから、ボールを離すまで
肩関節は、外転・外旋位から急激な腕の前側への移動と内旋運動が生じ、ボールが加速します。肩甲骨の動的安定性と可動性、腱板による上腕骨骨頭を肩甲骨関節窩に安定させる機能が重要です。下肢は体重移動に伴う軸足の股関節伸展・内旋筋力、ステップ足の固定筋力と股関節柔軟性が必要となります。
【減速期】投球側の上肢が最大外旋してからボールを離すまで
肩の内旋と前腕の回内が強調されて腕は体の前方に振り出されるため、肩後方の筋が収縮しつつ牽引されるという遠心性収縮が生じます。肘関節には、外反・外旋(外側へ捻った状態)方向へ加わる力が最大となり、その後に肘関節伸展筋力(肘を伸ばす力)が発揮されます。肩外旋筋や広背筋のトレーニングに加え、減速動作による上肢の負担を減らすためには股関節と体幹の十分な回旋が必要です。手投げにならないように腕を振り下ろすには、特にステップ足側股関節の柔軟性が必要です。
【フォロースルー期】ボールが手から離れて投球動作が終わるまで
腕が振り抜けて肩甲骨の外転が強調され、手指は遠心力によって血行障害を起こすことがあります。
肩関節回旋動作の意義(メカニズム)
一般的治療法
原則は保存療法です。多くの場合、痛みや可動域制限が軽度であれば、数週間~数ヶ月の投球中止によって軽快します。投球中止期間は、保存療法として運動療法やストレッチ、全身の機能改善(症状に合わせて下半身や体幹、肩まわりなど全身の柔軟性や筋力の改善・強化を行ないながら、段階的に肘周りの筋力強化、投球動作のチェックなど)といったリハビリを行います。ただし、進行度合い、一定期間(約3ヶ月)経っても変化がない場合は手術の適応になる場合もあります。
メディカルジャパンでしかできない治療法
筋電図動作分析機
弊社では、米国のノラクソン社による筋電図も導入しています。筋電図動作分析機を使用し評価、再評価を行います。
筋電図をとることで、どの筋が、いつ、どのような動きで、どのくらいらいの強さで活動するのかが分かり、客観的データを得ることが可能となります。正常な筋肉へは、より良いコントロールが出来るようトレーニングを入れたり、治療としても、より掘り下げた動作指導などが行えるため、根本的な症状改善やパフォーマンスの向上に直結します。
4D整体
当センターではゆがみをとり、バランスを整え、左右の足裏に均等に、重心がかかるような、アプローチを行っています。 結果として、軸がしっかりすることにより、小脳コントロールが弱くなり、全身の筋肉の緊張が抜け、身体がとても軽くなります。 筋肉の緊張が抜けると、呼吸が深くなり、血流が改善され、身体がどんどん元気になります。
4D体操
バランスは筋肉や骨の問題だけでなく緊張したカラダは呼吸を浅くし、全身の代謝を下げてしまい、不定愁訴や難病の原因ともなるといわれてます。ご自宅で簡単にできる体操をしっかりと指導します。
予防やリハビリプログラム
投球障害を防ぐためには、正しいポジショニング、フォームは欠かせません。まずは筋肉や腱、関節へのストレスが最小となる正しいポジショニングを理解し、そのポジションで筋出力が最大となるようトレーニングを行う必要があります。
リトルリーガー(9~12歳)が100球以上/週の投球を行なった場合、肩の障害リスクは5倍となり、障害が出た子供のうち86%は25歳以降で肩峰の不完全癒合が認められたという報告もあります。野球経験のない成人での不完全癒合の発生は4%ということを踏まえると、驚きの高さであることが分かります。無理して練習を続けようとする子供にこそ、将来を見据えた適切な練習量などを保護者含めた大人から正しく指導する必要があります。
ゼロポジション(zero position)
肩甲骨にある出っ張り部分である肩甲棘(けんこうきょく)と上腕骨が一直線になったポジションを指します。腕を約140度上げた状態(頭の後ろで手を組み、肘を伸ばした切った時)がゼロポジションにあたると言われています。野球におけるゼロポジションは、リリースポイントになります。ゼロポジションを維持しているときの上腕骨には、回旋ストレスがかからず筋肉や関節のバランスが安定した状態になります。最も負荷が少なく安定した状態のゼロポジションを維持したまま投球することで、インナーマッスルを自然な形で動かすことが出来ます。
スキャプラプレーン(scapular plane)
スキャプラプレーンとは日本語に訳すと、肩甲骨面となります。肩甲骨は板状の骨で、カーブした胸骨の表面に乗っているため、肩甲骨面は身体の面に対して約30度~40度にあります。この面のことをスキャプラプレーンと呼びます。スキャプラプレーンは関節や靭帯のバランスが安定しているため、ゼロポジションと同じように回旋ストレスが少なく、肩や肘にかかる負担も少ないポジションです。スキャプラプレーン上を外れ無理な投球を行うと、スムーズな動作ができず余計な負担がかかり、肩の前方に高い負荷がかかるため、関節痛を起こしたり筋肉の炎症に繋がります。
※ただ腕だけを後ろに引くのではなく、グローブを持つ側の肩甲骨とボールを持つ側の肩甲骨、両方を引き寄せるように動かすようにしましょう。
体幹筋回旋
股関節の可動域制限や筋機能低下により骨盤の回旋運動が不十分となると、代償的に体幹の回旋運動や肩の水平屈曲運動が強くなり、「体の開き」や「肘の突き出し」など投球障害を起こしやすい投球になります。そのため、後期コッキング期で効率良く肩関節最大外旋位まで運動を行うには、骨盤の十分な回旋運動が条件です。骨盤の回旋運動は、荷重位での運動のため、ステップ足が軸として安定しなくてはいけませんが、ステップ足の各関節に問題があると、骨盤の回旋運動は不十分になり回旋のタイミングも悪くなります。結果、肩関節の動きに問題が生じることが多くなり、下肢の問題が上肢に対して非効率な連動を誘発してしまいます。また、フォロースルー期では減速運動を行いますが、骨盤・体幹の回旋運動が制限されると、肩関節水平屈曲や内旋運動が強まり、肩関節後部の軟部組織に加わるストレスは大きくなります。
メディカルジャパンでは、治療だけでなくフォーム改善やそれに伴うトレーニング指導までサポートいたします。投球障害が起きていない場合でも、フォームの確認、修正は可能ですので、お悩みの方は一度ご相談ください。
Before→After
来院前
4D体操後