慢性腎炎
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慢性腎炎
背景
腎臓内にあり、血液のろ過を行っている糸球体を中心に、慢性の炎症が見られる疾患。腎臓病の中で最も多く、タンパク尿や血尿、それに伴う症状が1年以上にわたって持続する。慢性腎炎はさまざまな病気の総称で、慢性的な経過から腎不全に至るもの、症状が進行しにくいものなどいくつかのタイプがある。
原因
原因は、急性の腎炎が慢性化することや自己免疫疾患の影響などさまざまで、原因不明の場合もある。小学校高学年以後に多く発症する慢性腎炎の中で、最も頻度が高いIgA腎症は、何らかの抗原が体に入ることでIgAという抗体が産出され、その免疫複合体が尿をろ過する糸球体に沈着して炎症を起こす病気。原因は不明で、リンパ球の機能異常、細菌やウイルス感染症、遺伝的な素因などが関係していると考えられている。
また加齢により腎機能は低下していくため、超高齢化社会の日本では件数が増加している。
一般的治療法
完全に治すことはできない。治療の目的は、タンパク尿や血尿を改善し、症状の悪化を防ぎ、腎不全に移行しないようにすることとなる。治療の基本は薬物療法や食事療法で、症状が軽い場合は経過観察のみで良い場合もある。一部の慢性腎炎にはステロイド薬や免疫抑制薬などの免疫を抑える治療が有効。治療が難航する場合には、扁桃を摘出することもある。食事療法ではタンパク制限や食塩制限を行い、血圧の維持、体重管理などで病状をコントロールしていく。
重症化し、腎臓の機能不全に陥った場合には、人工透析や腎移植などの手段が取られる。
参考文献
CKD診療ガイド、日本臓器学会、東京医学社